Appleの新サブスク「Creator Studio」を見て感じた、不安と期待と、そして本音
こんにちは、かずです。
Appleが1月13日、クリエイター向けの新サブスクリプション「Apple Creator Studio」を発表しました。
Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Proに加え、Motion、Compressor、MainStageまでまとめて使えるプランで、月額1,780円、年額17,800円。
1カ月の無料トライアル付き、提供開始は1月29日。
価格だけを見ると、正直かなり良心的です。
Adobeと比べれば、破格と言ってもいいレベルだと思います。
ただ、僕が最初に感じたのは「お得そう」よりも、『これ、買い切り文化が終わっていく合図じゃないか?』という不安でした。
3つの動画編集ソフトを使って思うこと

これまでに3つの動画編集ソフトを使ってきました。
- Adobe Premiere Pro
- Final Cut Pro
- DaVinci Resolve
そして今のメインはDaVinci Resolveです。
それぞれに良さはありますが、選ばなかった理由もはっきりあります。
Adobeをやめた理由:高すぎる
Adobeは、編集の仕事をするならほぼ必須の存在です。
使っている人も多く、情報も多く、案件ベースでは圧倒的に有利。
ただ、価格がさすがに高すぎます。
個人でYouTubeやブログをやっている立場からすると、「元を取る前に支払いだけが積み上がっていく」感覚が強く、現実的に継続できませんでした。
しかも以前はPremiere Proに買い切り版がありましたが、アップデートが止まり、実質的に使えなくなっていった過去もあります。
形式上は買い切りでも、
- OSに対応しない
- 新しいコーデックに非対応
- 動作が不安定
こうなると「使えないソフト」になります。
つまり、「買い切り=安全」ではないという現実を、Adobeはすでに見せてくれました。
Final Cut Proへのモヤモヤ
Final Cut Proは操作性も良く、Macとの相性も最高です。
ただ個人的に気になっていたのが以下の点です。
- 内部データの容量圧迫が激しい
- 少し前までアップデートがほとんど止まっていた
特にストレージの圧迫はかなりストレスでした。
内部データの管理が分かりにくく、知らないうちに容量が削られていく感覚があります。
そして一時期、アップデートがほぼ止まり、「これ、このまま終わらせるつもりなのかな?」と疑問に思っていました。
最近はアップデートも再開していますが、今回のCreator Studioの発表を見ると、「やっぱり方向性はサブスクなんだろうな」と感じてしまいます。
DaVinci Resolveを選んだ理由
今、僕がメインで使っているのはDaVinci Resolveです。
理由は機能だけではありません。
- 色編集の強さ
- 買い切りモデル
- ユーザー目線の開発方針
そして、
「クリエイティブなエディターやデザイナーに最高品質のツールを提供するためには、いかなる努力も惜しまない」
というBlackmagic Designの企業理念。
これらすべて含めて、素直に応援したくなる会社だと感じたからです。
実際、ソフトとしても十分すぎるほど高性能で、買い切りでありながらアップデートが継続されている姿勢には、かなり好感を持っています。
もちろん、将来ずっとこの形が続く保証はありません。
それでも今の時点では「信頼できる」と思える数少ない存在です。
サブスクは悪ではない。でも…
正直、サブスクそのものを否定したいわけではありません。
- 開発費が安定する
- 最新機能を継続的に使える
- AIやクラウド連携にも対応しやすい
こうしたメリットがあることは、十分理解しています。
実際、Apple Creator Studioも、Final Cut Proが約50,000円の買い切りであることを考えると、3年目くらいまではサブスクの方が安く済む計算になります。
それでも、すでに買い切り版を持っているユーザーからすれば、
「なんだか静かに切り捨てられていく感覚」を抱いてしまうのも、正直なところだと思います。
Creator Studioが与える影響について考える

ここからは、今回のApple Creator Studioが業界全体にどんな影響を与えるのかを考えてみます。
Adobeの価格は下がるかもしれない
現状、Adobeは仕事をする上で圧倒的に強い存在です。
動画編集の案件でも、「編集ソフトはPremiere Pro指定でお願いします」という募集は珍しくありません。
そのため、多くのクリエイターは実質的にAdobeを選ばざるを得ない状況にあり、この状態は「Adobe税」とも呼ばれてきました。
仕事をするにはAdobeを使わなければならない。
そんな空気が、長年続いてきたと思います。
しかし、Appleが本腰を入れて開発を進め、Creator Studio対応の案件が増えていけば、このバランスは少しずつ崩れていく可能性があります。
もし、「Creator Studioでも仕事ができる」「しかも安価に済む」という状況になれば、Adobe側も価格を見直さざるを得なくなるでしょう。
Apple Creator Studioは月額1,780円、年額17,800円。
一方、Adobe Creative Cloud Proは月額9,080円(年間プラン)。
中身が違うため単純比較はできませんが、月に約7,300円、年間で約87,600円もの差があります。
サブスク化によって、企業同士が価格や性能で競争し、結果的にユーザーにとって良い影響が生まれる可能性は十分にあります。
プレミア機能はサブスクのみになる?
Appleは、Final Cut ProやPixelmator Proの買い切り版も引き続きアップデートはしていくとしています。
ただし、AI機能などの“目玉機能”は、サブスク限定になる可能性は十分に考えられます。
実際、Apple公式サイトには次のように記載されています。
Keynote、Pages、Numbers、フリーボードは引き続き無料で利用できますが、Apple Creator Studioのサブスクリプションに登録すると、プレミアムテンプレート、高品質なロイヤリティフリー素材、パワフルなインテリジェンス機能にアクセスできます。
これが意味することは、
みんなが使いたくなる便利な機能は、今後サブスク限定になりますよ
という流れです。
言い換えれば、「使いたければ、サブスクに登録してください」という世界になっていく、ということでもあります。
Affinityも実質サブスク化してしまった現実
実例として、僕も愛用しているAffinityがあります。
以前は「買い切りの良心的ソフト」の代表格でした。
しかし現在はCanva傘下に入り、
- 無料提供 → 基本機能のみ
- 便利機能はCanva有料プラン必須
という、実質サブスク型のモデルに近づいています。
「買い切り文化」は、少しずつ、しかし確実に居場所を失っていると感じます。
代表例で言えば、Microsoft Officeもそうですね。
今や完全にサブスクが主流です。
Apple Creator Studioは「お得」だけど「区切り」でもある
Apple Creator Studioは、
- 価格は良心的
- 内容は非常に魅力的
- 新規ユーザーには最高の選択肢(ココ重要)
間違いなく、よくできたサービスだと思います。
とくに、これから動画編集や音楽制作を始める人にとっては、これ以上ないスタート環境と言ってもいいでしょう。
ただ同時に、今回の発表は、
Appleの買い切りソフト文化が、静かに終わりに向かっている
そんな区切りを感じさせるものでもありました。
既存ユーザーの立場からすれば、期待よりも先に、不安やモヤっとした感情が浮かんでしまう。
便利で、お得で、合理的。それでも、どこか素直に喜びきれない。
それが、今回の発表を見た正直な感想です。
まとめ
どのソフトが正解かは、人それぞれです。
でもこれからも、
- ユーザー目線で作られているか
- 応援したくなる企業か
- 長く付き合えるか
この基準でソフトを選び続けたいと思っています。
だから今は、DaVinci Resolveを使っています。
そしてApple Creator Studioについては、
「便利で魅力的なのは確かだけど、どこか不安」
それが、今の率直な結論です。
サブスク化が進むこと自体を、頭では理解しています。開発コストの高騰、AI機能の追加、継続的なアップデート。そのために安定した収益モデルが必要なのも、よく分かります。
それでも、
「なんでもサブスクになっていく流れ」は、やはり素直には受け入れきれません。
必要だと分かっているのに、腑に落ちない。
納得はできるけれど、どこか寂しい。
そんな気持ちを抱えながら、これからのソフト業界を見ていくことになりそうです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
