ミラーレスカメラのセンサー進化史|CCDからCMOS・BSI・積層型まで簡単に解説
こんにちは、かずです。
ミラーレスカメラを調べていると、
- CMOSセンサー
- 裏面照射型(BSI)
- 積層型センサー(Stacked CMOS)
- グローバルシャッター
など、さまざまな専門用語を目にします。
- 積層型って普通のセンサーと何が違うの?
- 高価なカメラを買うほど違いはあるの?
正直、「結局なにが違うの?」と思いますよね。笑
この記事では、カメラセンサーの進化の歴史をたどりながら、初心者にわかりやすく用語の説明をします。
この記事を読むと、
- なぜ最新カメラは高価なのか
- 動画性能の差はどこで生まれるのか
- 自分に積層型センサーが必要なのか
まで理解しやすくなると思います。
まずは超ざっくりまとめると、こんなイメージです。
- CMOS → 現在の主流
- BSI → 暗所に強い
- 積層型 → 動画・連写に強い
- グローバルシャッター → 歪みを大幅に減らせる
では、センサーがどのように進化してきたのか見ていきましょう。
そもそもカメラセンサーとは?
カメラでよく聞く、
- フルサイズ
- APS-C
は、センサーの「大きさ」を表しています。

一方で今回解説する、
- CCD
- CMOS
- 裏面照射型(BSI)
- 積層型センサー
は、センサー内部の構造や読み出し方式の違いです。
つまり、
- フルサイズ = センサーの大きさ
- CMOS / BSI / 積層型 = センサーの中身
と考えると分かりやすいです。
イメージセンサーは、レンズから入った光を電気信号へ変換し、写真や動画として記録するパーツです。
人でいうと「目」のような存在ですね。
そのため、センサー性能は画質や動画性能を大きく左右します。
では実際に、どのように進化してきたのか見ていきましょう。
1. CCDセンサー時代|高画質重視の時代
デジタルカメラ初期に主流だったのがCCDです。
CCD(Charge Coupled Device)は、当時「高画質センサー」として広く使われていました。
CCDの仕組み
CCDは、発生した電荷を順番に転送して読み出す構造です。
イメージとしては「バケツリレー」に近いです。
- 隣へ渡す
- また隣へ渡す
- 最終地点で読み出す
という流れですね。

CCDのメリット
CCDは主に、
- ノイズが少ない
- 発色が良い
- 画質が安定している
といった理由で高く評価されていました。
特に昔は、「CCDの色味が好き」というファンも多かったみたいです。
CCDのデメリット
一方で、CCDには大きな課題もありました。
読み出し速度が遅い
電荷を順番に転送するため、高速処理が苦手でした。
消費電力が高い
長距離の電荷移動が必要なため、電力を多く使います。
発熱しやすい
消費電力が高いため、長時間撮影には不向きでした。
つまりCCDは、
- 高画質
- 発色の良さ
に優れていた一方、
- 動画撮影
- 高速連写
- 長時間撮影
には向いていなかったのです。
そして動画時代の到来とともに、主役はCMOSへ変わっていきます。
2. CMOSセンサー登場|現在の主流へ
CCDに代わって主流になったのがCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)です。
現在のミラーレスカメラの多くはCMOSセンサーを採用しています。
CMOSはなぜ速いのか?

CCDとの最大の違いは、「各画素が個別に信号を読み出せる」ことです。
CCDは全員でバケツリレーをしていましたが、CMOSは各画素から直接データを読み出せます。
そのため、
- 高速読み出し
- 高速AF
- 動画撮影
- 高速連写
に非常に強くなりました。
CMOSのメリット
高速処理に強い
動画や連写との相性が非常に良いです。
低消費電力
CCDより効率的に動作できます。
発熱しにくい
長時間の動画撮影にも向いています。
量産しやすい
現在の主流になった大きな理由のひとつです。
CMOSの弱点
ただし、CMOSにも課題がありました。
CMOSは高速化のために、
- 回路
- 配線
- トランジスタ
を画素内に配置しています。
その結果、一部の光が遮られてしまう問題がありました。
つまり、「速くなった代わりに、光効率が落ちた」ということです。
特に高画素化が進むほど、この問題は大きくなっていきました。
そこで登場したのがBSIです。
3.裏面照射型CMOS(BSI)|暗所性能を改善
CMOSの弱点だった「光効率」を改善したのがBSIです。
BSI(Backside Illuminated Sensor)は、光をより効率よく取り込める構造になっています。
従来型CMOSの問題
従来型CMOSでは、
- 配線・回路
- 受光部
の順に配置されていました。
つまり、光が先に配線へ当たってしまう状態です。
イメージすると、窓の前に家具が置かれている感じですね。
せっかく光が入ってきても、一部が遮られてしまいます。
BSIの仕組み
BSIでは構造を反転し、
- 受光部
- 配線・回路
の順に変更しました。
これによって、光を直接受光部へ届けやすくなりました。

BSIのメリット
暗所性能向上
より多くの光を取り込めます。
ノイズ低減
高感度撮影に強くなりました。
高画素化との相性が良い
小さい画素でも効率よく光を取り込めます。
旅行Vlogでは、このBSIの恩恵をかなり感じやすいです。
例えば、
- ホテル客室
- 夜景
- レストラン
- ラウンジ
など、暗い場所で撮る機会が意外と多いためです。
現在の中〜上位ミラーレスでは、BSI搭載機もかなり増えています。
4. 積層型CMOSセンサー(Stacked CMOS)|動画性能をさらに進化
BSIによって暗所性能は大きく改善されました。
しかし今度は、
- 4K/8K動画
- 高速連写
- AI被写体認識
- 高fps動画
などによって、処理するデータ量が急増します。
そこで課題になったのが「読み出し速度」です。
積層型の仕組み
従来のセンサーは、画素領域と回路領域を同じチップ内へ配置していました。
しかし積層型では、
- 光を受ける画素層
- 信号処理を行う回路層
を上下に分けて配置します。
つまり「積み重ね構造」です。
これによって設計自由度が上がり、読み出し速度を大幅に高速化できるようになりました。

積層型のメリット
超高速読み出し
大量データを高速処理できます。
ローリングシャッター低減
動画の歪みを抑えやすくなります。
高fps動画に強い
4K60pや4K120pとの相性が良いです。
電子シャッター性能向上
無音撮影や高速連写に強くなります。
ローリングシャッターとは?
動画でカメラを横に振ったときや、高速で移動する電車を撮影すると
- 対象物が斜めになる
- 柱が曲がる
現象があります。
これがローリングシャッターです。

一般的なCMOSは、上から下へ順番に読み出しています。
例えば、
- 上側 → 0ms
- 下側 → 15ms後
のように時間差が発生します。
その間に被写体やカメラが動くことで、映像が歪んでしまいます。
積層型は読み出し速度が非常に速いため、この時間差を小さくできます。
その結果、ローリングシャッターを抑えやすくなります。
5. グローバルシャッター|理想形のセンサーへ
さらに理想形として登場したのがグローバルシャッターです。
グローバルシャッターでは、全画素を同時に露光できます。
つまり、画面全体を同じ瞬間に記録できる構造です。
そのため、ローリングシャッターがほぼ発生しません。
メリット
- 歪みがほぼない
- 動体撮影に強い
- 動画性能が非常に高い
デメリット
一方で、
- 高価
- 技術的難易度が高い
という課題もあります。
そのため、現状はハイエンド機中心です。
センサー進化の流れまとめ
ここまでの流れを簡単にまとめると、
CCD
高画質重視
↓
速度と発熱が課題
CMOS
高速化・低消費電力
↓
光効率が課題
BSI
暗所性能改善
↓
さらに高速化が必要
積層型
高速読み出し
ローリングシャッター低減
グローバルシャッター
歪みを大幅に改善
という流れです。
まとめ
カメラセンサーは、
- CCD
- CMOS
- BSI
- 積層型
- グローバルシャッター
へと進化してきました。
これは単なる新技術ではなく、「その時代の課題を解決するための進化」です。
- 暗所性能改善 → BSI
- 動画性能改善 → 積層型
- 歪み低減 → グローバルシャッター
と考えると、かなり分かりやすいと思います。
カメラ選びではスペック表を見るだけでなく、「自分の撮影スタイルに必要な進化は何か」を知ることが重要です。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
