旅撮影術

旅Vlogに合ったレンズ選び〜広角・標準・望遠の違いをわかりやすく解説〜

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はじめに|レンズを変えると、世界が変わる

こんにちは、かずです。

ミラーレスカメラの魅了はレンズを変えられること、そして「レンズを変えるだけで映像の表現が無限に広がる」ことです。
まさにそれが、Vlog撮影の一番の楽しさでもあります。

スマホでは“見たまま”を撮るだけだったけれど、カメラなら“見せたいように撮れる”。

今回は、旅Vlogを撮るときに避けて通れない「レンズの焦点距離」の違いと、その使い分けについて解説します。

この記事でわかること
  • 焦点距離とは何か?旅Vlogとどう関係あるの?
  • 広角・標準・望遠、それぞれどんな映像になるの?
  • 旅Vlogにおすすめの焦点距離とレンズの選び方
  • 単焦点レンズとズームレンズ、どちらがいいの?

焦点距離と画角の関係|どれくらい“映るか”を決める要素

カメラのレンズ選びで重要なのが「焦点距離」と「画角」です。
この2つは密接な関係にあり、“どれくらいの範囲が映るか”を決めるポイントになります。

※F値という明るさに関係する値も大事ですが、今回は割愛します。

焦点距離と画角のざっくり早見表

焦点距離画角の特徴向いている撮影シーン
14〜24mm(広角)とても広く映る(広い画角)
背景や空間全体が映る
風景・建物・街並み・旅館の全体感
35〜50mm(標準)人の目に近い自然な画角
歪みが少なく、バランスが良い
食事・人物・街歩き・スナップ
70mm以上(望遠)被写体を大きく映す(狭い画角)
背景が大きくボケる
ポートレート・遠景・動物・ディテール重視の撮影
スマホは横にスクロールできます

焦点距離とは?

焦点距離とは、レンズの中心(主点)からカメラのセンサーまでの距離を指します。
単位は「mm(ミリメートル)」で表され、この数値によって“画角”=どれだけ広く映せるかが決まります。

焦点距離が短いほど広い範囲を写す「広角」に、
長くなるほど狭く遠くを大きく写す「望遠」になります。

センサーサイズでも画角が変わる?

同じ焦点距離のレンズを使っても、カメラのセンサーサイズによって画角は変わります。
下の図は、焦点距離は同じですがセンサーのサイズを半分にしたものです。

たとえば、フルサイズのセンサーと、より小さいセンサーでは、
小さい方のセンサーは“画面の一部しか切り取らない”ため、より狭い画角(望遠寄り)になります。

フルサイズ vs APS-C

出典:SONY公式サイト
  • フルサイズセンサー:基準となるサイズ(36mm × 24mm)
  • APS-Cセンサー:フルサイズよりも小さいサイズ(約23.6mm × 15.6mm ※メーカーにより微差あり)

フルサイズセンサーはAPS-Cの約1.5〜1.6倍の面積です。つまり、APS-Cはフルサイズの約1.5倍の画角補正(クロップ)がかかります。

具体例
  • フルサイズで20mmレンズ → 20mmの広角
  • APS-Cで20mmレンズ → 約30mm相当(20mm × 1.5)の標準寄りの画角に

※Sony ZV-E10ⅡはAPS-Cセンサーなので20mmのレンズを使用しても、実際には30mm相当の画角になります。(写る範囲が狭くなる)

✔ ポイントまとめ

  • 焦点距離が短い(小さい) → 画角が広く、広い範囲を撮れる
  • 焦点距離が長い(大きい) → 画角が狭く、被写体を大きく写せる

画角別の特徴と旅Vlogでの使いどころ

広角(14〜24mm):空間の広がりを見せたいときに最適

広角レンズは、建物や風景などその場の空気感ごと切り取るのにぴったりです。
旅館の外観、部屋全体、海や山などの広大な景色を撮りたいときに重宝します。

僕自身も「Sony FE 20mm F1.8 G」の単焦点レンズを使用しています。
人の視野に近い広がりが自然に映るので、旅館の佇まいや街歩きにも最適です。
しかも、単焦点だから軽量で、旅の移動中も負担になりにくいのが魅力です。

標準(35〜50mm):自然な距離感と“日常の旅”にちょうどいい

標準レンズは、「見たまま」をリアルに再現できる画角
日常のワンシーンや、旅先でのちょっとした発見を自然な距離感で撮れます。

料理、人物、旅の雰囲気など、ドキュメンタリーのような“リアルな旅感”を表現したいときにぴったり。

▶️ 人の視野と最も近いと言われる50mmは、旅先の何気ないシーンを深みのある一枚に変えてくれる万能な焦点距離です。

望遠(70mm〜):被写体に寄って、印象的に切り取る

望遠レンズは、遠くの被写体を大きく映したり、背景を大きくぼかして主役を引き立てる効果があります。

  • 遠くの猫や建物、自然の一部をクローズアップしたいとき
  • まるで映画やMVのように“印象的なワンカット”を撮りたいとき

ただし旅Vlogでは少し扱いにくい場面もあります。

  • 本体が大きくて重い
  • 撮影範囲が狭くて画が窮屈になりがち
    という理由で、旅の撮影スタイルには少々不向きなこともあります。

もちろん、使いこなせば強力な武器になりますが、僕のように“風景や空気感を残したい旅Vlogger”には、やや優先度は下がります。

単焦点レンズ × 広角レンズを選んだ理由

僕が使っているのは、Sony FE 20mm F1.8 Gという単焦点レンズです。
ズーム機能はありませんが、広角でF値が低い(暗所性能に優れている)ので選びました。

✔ 単焦点(広角)を選んだ理由

理由詳細
軽くて機動力が高い歩きながらの撮影、手持ちのVlogに最適
F値が低く、暗所でも明るく撮れる室内や夕暮れ時でもノイズを抑えて綺麗に
背景が美しくボケる映像に奥行きや情緒が出せる

「ズームだったら撮れたのに…」と感じる場面も確かにあります。
でも、自分の足で動いて構図を探すことで、撮影そのものがもっと楽しくなると思っています。
旅の空気感や景色を“自分の目で見て、自分の体で撮る”という感覚が、単焦点レンズにはあります。

広角〜標準域のズームレンズも欲しいですが、予算の都合で購入できていませんが…

ズームレンズのメリットも捨てがたい

もちろん、ズームレンズは非常に便利な選択肢です。

  • 一本で広角〜望遠までカバーできる
  • 被写体との距離が変わってもすぐに構図を調整できる
  • 撮影の自由度が高く、機動性も十分

特に、限られた荷物で旅に出るときや、瞬間的なシャッターチャンスに強いのはズームレンズの大きな魅力です。

ただし、暗所での撮影性能やレンズの重さという面では、単焦点レンズに劣ることもあります。

F値と暗所性能の関係

標準的なズームレンズは、F4前後のモデルが多く見られます。
日中の撮影には十分ですが、ホテルの室内やレストランなど暗めの環境ではやや心許ない場面もあります。

間接照明だけの部屋や、雰囲気重視で照明が控えめなレストランでは、F値が高いレンズだと画像が暗くなりノイズが増えたりすることがあります。

もちろん、F2.0やF2.8といった明るいズームレンズも存在しますが、価格は一気に上がります。
場合によっては、カメラ本体+F4の標準ズームセットを買ってもお釣りがくるほどです。

僕が選んだのは、価格と明るさを兼ねた「単焦点」

このような理由から、僕は価格とF値のバランスを重視し、単焦点レンズ(F1.8)という選択肢に行き着きました。

ズームができない代わりに、

  • 明るく、ボケ感が美しく、
  • 暗所にも強くて、
  • 軽くて持ち歩きやすい

というメリットを最大限に活かせます。

旅Vlogでは「一瞬を逃さず、軽快に動けること」も大事。
単焦点レンズの制限は、逆に“強み”に変わることが多いと実感しています。

初心者におすすめの焦点距離は?

旅Vlogをこれから始めたい人には、
16mm〜35mmあたりの焦点距離がおすすめです。

  • 自然な広がりがあり、風景や町並みにも強い
  • 人を撮っても歪みにくい
  • 汎用性が高く、1本で旅を完結できる

16〜24mmは「風景重視」
28〜35mmは「人物や日常重視」
というように、自分の旅スタイルに合わせて選ぶのがポイントです。

まとめ|焦点距離を知ると、撮りたい映像が見えてくる

  • 焦点距離は、旅Vlogの「見せ方」を決める大事な要素
  • 広角・標準・望遠、それぞれに強みと使い道がある
  • 単焦点なら軽さ・描写・F値のメリットが大きい
  • ズームレンズは、1本で何でもこなせる万能タイプ
  • 「どんな旅をどう撮りたいか?」で、自分に合ったレンズが見えてくる

ミラーレスカメラの楽しさは、まさに“レンズを変えること”で広がっていきます。
次の旅、あなたはどんなレンズで、どんな世界を切り取りますか?

それでは、また次の記事でお会いしましょう。

ABOUT ME
かずトリップ
かずトリップ
サラリーマンとして働く日々の合間に、カメラ片手に旅へ。
このブログでは、実際に訪れた宿や風景、愛用している旅アイテム、そして旅をもっと楽しむためのお金の工夫まで、リアルな体験をもとにお届けしています。
「旅に出たくなる」——そんな気持ちを呼び起こすような情報を、届けられたら嬉しいです。
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