旅撮影術

いつ使う?手ブレ補正とブリージング補正|Vlogでのオススメ設定

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こんにちは、かずです。

旅行Vlogを撮影していると、こんな悩みに直面したことはありませんか?

「F値やISO、FPSなどはしっかり設定しているのに、なんだか映像がフワフワして不安定…」

実はそれ、「手ブレ補正」や「ブリージング補正」などの補助機能が裏目に出ているのかもしれません。

僕自身、撮影時は露出設定ばかり気にしていて、こうした補正機能の落とし穴にはなかなか気づけませんでした。

今回は、旅Vlog撮影で実際に体験した失敗談をベースに、手ブレ補正とブリージング補正の正しい使い方を解説していきます。

手ブレ補正とブリージング補正とは?

まずは、この2つの補正機能について基本をおさらいしておきましょう。

手ブレ補正とは? 4種類の補正モードを強度順に紹介

カメラの手ブレ補正機能は、撮影時の揺れを検知し、映像を滑らかにするためのものです。ソニーの一部の機種では、以下のような4段階のモードが存在します。

モード名補正強度特徴
OFF✕(なし)補正ゼロ。ジンバルや三脚使用時に推奨
スタンダード△(軽度)軽い揺れの補正。画角のクロップなし
アクティブ◯(中)歩行中のブレにも対応。軽いクロップあり
ダイナミックアクティブ◎(強)より激しい動きにも対応。強めのクロップあり
スマホでは横にスクロールできます

アクティブとダイナミックアクティブの違いは“補正の強さ”と“クロップ量”だけで、基本的な挙動は同じです。

どちらも「手持ちでの歩き撮影」に適していますが、安定性と画角のトレードオフがあります。

どちらもセンサーが動きを検出して、電子的に揺れを抑える仕組みです。そのため、これらを使うシーンや注意点も共通する部分が多くなります。

ブリージング補正とは?

「フォーカスブリージング」とは、ピントを変えたときに画角が微妙に変わってしまう現象のこと。

動画撮影ではこの画角の変化が違和感につながるため、カメラ側でデジタル補正してくれるのが「ブリージング補正」です。

ただし、これもすべてのシーンで効果的とは限らないというのが落とし穴です。

Sony公式Youtubeより

【実体験①】アクティブ/ダイナミックアクティブで映像が“勝手に動く”…?

シューティンググリップを使って撮影していたときのこと。手ブレ補正は「アクティブ」に設定したまま、カメラを静止させたにもかかわらず…

止めたはずのカメラが、ジワッと動いてる!?

ダイナミックアクティブ補正ON

試しに手ブレ補正を「スタンダード」に変更すると、ピタッと止まる。

スタンダード手ぶれ補正ON

しかし再び「アクティブ」にするとまた微妙に動く…。手持ち撮影では感じなかったこの違和感、調べてみると原因は“過補正(オーバーコンペンセーション)”というものでした。

なぜ「過補正」が起きるのか?

① センサーの過敏反応

アクティブモードではセンサー感度が高く、わずかな空気の流れや振動まで「ブレ」として認識してしまいます。

② 補正処理の遅延

補正が強力なぶん、動作の停止を検知するのに時間がかかり、止めた後も補正が継続してしまいます。

③ 補正のフィードバックループ

補正の動きをセンサーが再検知し、それをさらに補正しようとしてしまう悪循環が発生します。特に三脚やグリップ使用時など、カメラが物理的に安定しているときに起きやすい現象です。

【実体験②】ジンバル+手ブレ補正はNG!

ジンバルを使った撮影では、アクティブ系の手ブレ補正(アクティブ/ダイナミックアクティブ)と併用すると、ジンバルの動きすら“ブレ”と認識して補正してしまい、不自然な映像になることがあります。

この2つの補正はどちらも電子処理で動きを制御するため、ジンバルとの相性が悪い。

という情報は見ていたものの、

「アクティブはダメでも、スタンダードなら大丈夫でしょ!」

と軽く考えていた結果、映像がわずかにゆらぐような残像感…。

後から気づいたのは、ジンバルとカメラ内手ブレ補正がお互いの補正を邪魔していたという事実です。

補正が干渉しあい映像を乱す

  • ジンバル:カメラ全体を物理的に安定させる
  • 手ブレ補正:センサーやレンズ内部をデジタル処理で補正

この2つが同時に働くと、ジンバルの動きをカメラが「揺れ」と誤認識してしまい、補正同士がぶつかって映像が安定しなくなります。

結論:ジンバル使用時は手ブレ補正を完全OFFが正解でした。

【実体験③】ブリージング補正も“万能ではない”

鋸山での撮影中、オートフォーカスが迷い続けたことで、ピントが絶えず前後。ブリージングによる画角の微妙な変化が連続し、映像は“見ていて酔いそう”なレベルに。

そこで「ブリージング補正ON」にして次回撮影。

たしかにピント移動時の画角変化はなくなったものの、今度は手持ち撮影で画面が微妙に動くように…。

手持ち撮影での“ブリージング補正の罠”

  • 手持ち撮影では、身体のわずかな動きで被写体との距離が微妙に変化
  • それによりAFが頻繁に作動 → ブリージング補正が連続で働く
  • 結果、画角の補正が不自然に入り、映像が不安定に

特に「コンティニュアスAF」と組み合わせていると、ピント→補正→再ピント…の無限ループに陥ることがあります。

【撮影シーン別】手ブレ補正&ブリージング補正の最適設定

実体験をもとに、それぞれのシーンでのおすすめ設定をまとめました。

撮影シーン手ブレ補正ブリージング補正
観光地・街歩き(手持ち)アクティブ/ダイナミックアクティブOFF
ジンバル使用(歩き撮影)OFFON(必要に応じて)
宿の部屋・固定撮影(三脚)OFFON
スマホでは横にスクロールできます

まとめ|露出設定だけじゃ足りない、“補正機能”の使いこなしが鍵

撮影を始めた頃は、F値やシャッタースピード、ISOなど基本設定ばかりを意識していました。でも、美しい映像を作るためには、それだけでは足りないと感じました。

手ブレ補正もブリージング補正も、“使いこなしてこそ”価値がある機能です。

状況に応じてON/OFFやモードを選ぶこと、補正の“二重運用”を避けることが、安定したクオリティの高い映像に繋がります。

最後に、今回の学びをおさらい!

  • ジンバルや三脚使用時は手ブレ補正をOFF!
  • 手持ち撮影では「アクティブ」または「ダイナミックアクティブ」が効果的(強度に応じて選択)
  • ブリージング補正は、AFが安定している静的な画面でONにするのがベスト
  • 迷ったら、まず「OFF」で撮影→後でチェックするのもアリ!

次の旅では、F値の隣に「手ブレ補正」「ブリージング補正」の設定を必ずチェックしてみてください。きっと、今よりワンランク上の映像が撮れるはずです。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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かずトリップ
かずトリップ
サラリーマンとして働く日々の合間に、カメラ片手に旅へ。
このブログでは、実際に訪れた宿や風景、愛用している旅アイテム、そして旅をもっと楽しむためのお金の工夫まで、リアルな体験をもとにお届けしています。
「旅に出たくなる」——そんな気持ちを呼び起こすような情報を、届けられたら嬉しいです。
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