動画が滑らかになるジンバル入門|基礎からセットアップまで

こんにちは、かずです。
旅行や日常を動画に残してみたけれど、「手ブレがひどくて見返す気にならない…」そんな経験はありませんか?
そこで登場するのがジンバルです。
プロの映像クリエイターはもちろん、YouTuberやVloggerも愛用している撮影機材です。
今回はそのジンバルについて、
- そもそもどんな道具なのか
- どんなシーンで役立つのか
- 基本用語(パン・チルト・ロール)
- セットアップのポイント
といった基礎をまとめました。
難しいことは抜きにして、初心者でもスッと理解できる内容にしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ジンバルとは?

ジンバルは「カメラの手ブレを補正するためのアイテム」です。
カメラやスマホにも手ブレ補正はついていますが、それだけでは抑えきれない“歩きながらの揺れ”や“大きな振動”を軽減してくれます。
ジンバル内部にはモーターやセンサーが組み込まれていて、手の揺れや歩行の振動をリアルタイムで制御し、滑らかな映像を撮影できます。
ポイントは、カメラやスマホに搭載されている 「電子手ブレ補正」や「光学手ブレ補正」とは違うということです。
ジンバルは“物理的にカメラの向きを支えて制御する”ため、電子補正のように画角が狭くなったり、不自然な歪みが出ることがありません。
例えば旅先で街を歩くとき、電子補正だけだと画面がグニャッと曲がってしまうことがありますが、ジンバルなら自然なままの映像が残せます。
ちなみに、Osmo Pocket 3のように「カメラとジンバルが一体型」になっている製品もあります。こうした機材を使えば、手軽に安定した動画撮影が可能です。
ジンバルが役立つシーン
ジンバルは「常に使えば良い」というものではありません。
むしろ手ブレがあることで臨場感やその場の空気感が伝わることもあり、すべての撮影に必須というわけではないのです。
ただし、次のようなシーンではジンバルを使うことで一気に映像の質が上がります。
歩きながらの撮影
観光地の街並みを歩きながら撮影するとき、どうしても上下に揺れてしまいます。
ジンバルを使えばスーッと流れるような映像になり、見やすい(酔いにくい)映像になります。
移動シーンをドラマチックに見せたいとき
電車の車窓やバスからの風景、船やロープウェイなど、揺れやすいシーンでも安定した映像が残せます。
旅の移動時間が「ただの記録」から「雰囲気ある映像」に変わります。
映画のようなカメラワークを再現したいとき
人物を追いかけながら横移動したり、滑らかに前後に寄ったり。
肉眼では体感できない“映像ならでは”の表現を取り入れられるのもジンバルの強みです。
逆に、三脚で固定して撮るインタビューや風景動画などでは不要です。
ジンバルを使うシーンのキーワードは 「歩きながら」「動きながら」です。
ジンバルを導入すると、映像は日常の記録から一歩進んで「映像作品に近い質感」へと変わります
パン・チルト・ロールを理解しよう

ここまでで「ジンバルって、手ぶれを抑えて映像を安定させてくれるんだな」とイメージできたと思います。
次に知っておくと便利なのが「パン」「チルト」「ロール」という言葉です。カメラの動きを表す基本用語で、ジンバルの仕組みを理解するうえで欠かせません。
- パン(Pan):カメラを左右に振る動き(人が首を横に動かすイメージ)
- チルト(Tilt):カメラを上下に動かす動き(首を縦に動かすイメージ)
- ロール(Roll):カメラが傾く動き(首をかしげるイメージ)
ジンバルはこの3つの軸をモーターで制御し、どの方向に手が動いてもカメラを水平に保ってくれます。つまり「人の首の動き」としてイメージすれば、すぐに理解できるはずです。
セットアップとバランス取りの基本
ジンバルを使う前に欠かせないのが 「バランス取り」 です。
これは、カメラをジンバルに載せたときに重心を合わせる作業のことです。
バランスが悪いと
- モーターに負担がかかる
- バッテリー消耗が早くなる
- 動作が不安定になる
そのため、撮影前に必ず行うべき大事なステップです。
バランス取りの手順
- レンズキャップを外し、マイクやフィルターなど実際に撮影で使う機材をすべて装着しておきます。
- ジンバルの電源はOFF、各軸はロックした状態で始めます。

- ロール軸のロックを解除します。
- バランスが取れていないと急に動くので注意。
- カメラが左右に傾かず、水平を保てる位置までスライドバーを調整し、固定します。

- ロックを解除すると前後に傾きます。
- まずは前後の位置を調整して、カメラが正面を向くようにします。

- 次にカメラを上に向け、上下方向のバランスも調整。
- 手を離しても上を向いたままならOK。固定してロックします。

- ジンバルを横から持ち、地面と垂直になるようにします。
- カメラが真横を向けばバランス良好。
- 上下に傾くようならパン軸をスライドして調整します。

- すべてのロックを解除し、電源OFFの状態でカメラが傾かなければ完成。
- 多少のズレはジンバルが補正してくれるので、最初は完璧でなくても大丈夫です。
- 電源をONにし、キャリブレーションして準備完了!

まとめ
ジンバルは「歩きながらでも滑らかな映像が撮れる」便利なアイテムです。
パン・チルト・ロールという基本を理解し、使うシーンを見極めれば、旅行やVlogの映像が一気に見やすく、作品らしい仕上がりになります。
また、バランス調整は最初は手間取りますが、徐々に慣れますので大丈夫です。
一見、難しそうに思えても、基本の仕組みはシンプルです。
「まずはスマホ用から試してみる」くらいの気持ちで導入してみると、撮影がより楽しくなります。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!