MTF(レンズの解像度)って何?旅写真がもっと上手く見える“レンズの見方”をやさしく解説
こんにちは、かずです。
撮った写真をあとで見返したとき、
「この写真、なんかシャープでスッキリしてるな」
「こっちはちょっと柔らかくて雰囲気があるな」
そんなふうに感じたことはありませんか?
この“くっきり感”や“柔らかさ”を、数値として可視化したのがMTF(エムティーエフ)です。
レンズの商品説明を見ていると、たまに出てくる「MTF曲線」。
なんの説明もなくグラフだけ載っていて、「すごそうだけど意味がわからない」という方も多いはず。
でも実はMTFをざっくり理解するだけで、
「このレンズ、どんな描写が得意なんだろう?」と想像できるようになります。
旅先の風景や街歩きスナップを、より自分らしく表現するためにも、知っておくと確実に得する知識です。
MTFとは?簡単にいうと「くっきり感のグラフ」
MTFとは Modulation Transfer Function(変調伝達関数) の略です。
ちょっと難しく聞こえますが、要するに
「レンズが細かい模様や線を、どれだけ“はっきり”描けるか」を数値で表したものです。
写真には“明るい部分”と“暗い部分”がありますよね。
その差がくっきりしているほど、写真はシャープで立体的に見えます。
この明暗の差を「コントラスト」と呼び、MTFは「そのコントラストをどこまで保てるか」を表しています。
MTFは「そのコントラストをどこまで保てるか」を測る指標となります。
MTFグラフの読み方(ざっくりでOK)
メーカーの公式サイトには、レンズ紹介と一緒にMTFグラフが載っていることがあります。
今回はその実際のグラフを見ながら、一緒に読み解いていきましょう!

まずは軸の意味を確認してみましょう。
- 縦軸:くっきり具合(コントラスト)。100に近いほどシャープ。
→ 高い位置にあるほど、細かい線や模様をしっかり再現できる。 - 横軸:画面の中心から端までの距離。
→ 左側が「写真の中心」、右に行くほど「周辺部分」を表します。
線の動きに注目してみましょう。
- 線が高い位置で水平に伸びている場合
→ 画面全体でコントラストが保たれていて、「どこを見てもくっきり」な描写。風景や建築など、細部までシャープに写したいときにぴったりです。 - 中央だけ高くて、端に向かって下がる場合
→ 中心部分はシャープだけど、周辺はやや柔らかい描写。
被写体を引き立てたいポートレートやカフェスナップなどに向いています。
グラフの“形”でレンズの性格が見えてくる
MTFグラフをざっくり眺めるだけでも、
「このレンズは全体的にシャープ系だな」
「ちょっと柔らかい味付けのタイプかも」
といった“描写傾向”がなんとなく掴めます。
これは、実際に撮る前にレンズの特性を知る手がかりになります。
MTFは“難しいグラフ”というより、レンズの性格診断書みたいなものなんです。
旅写真での活かし方
🌄 風景・建築写真なら「端まで高い」MTFが理想

富士山や夜景など、画面全体に細かいディテールが広がる被写体では、端までMTFが高いレンズのほうが気持ちいい描写になります。
木の葉や建物のラインまでシャープに写るので、プリントしたときの満足度も高いです。
☕ ポートレート・カフェ写真なら「中心高め」もアリ

人物や被写体を主役にしたい場合は、中央がシャープで周辺が少し柔らかい描写のほうが雰囲気が出ます。
背景のボケが自然で、柔らかい空気感を演出してくれます。
MTF曲線で中央が高く、端に向かって緩やかに下がるレンズはそうした“味のある”タイプ。
旅のカフェ撮影やポートレートにピッタリです。
MTFが高ければ良いレンズ?それはちょっと違う
「MTFが高い=良いレンズ」と思われがちですが、それは少し誤解です。
MTFは“解像力の高さ”を示すものであって、“写真の良し悪し”を決めるものではありません。
実際の写真の印象は、
- 光の滲み方
- ボケの柔らかさ
- 色の出方や階調の自然さ
など、数値では表せない要素にも左右されます。
旅の夕暮れや朝焼けのシーンでは、わずかな滲みや柔らかさが「温かさ」や「懐かしさ」を感じさせることもあるかもしれません。
MTFが少し低くても、それがそのレンズの“味”であり、表現の一部にもなるでしょう。
MTFを「使いこなす」
MTFを理解すると、スペック表を“感覚的に読む力”がつきます。
- グラフが水平 → オールラウンダー。旅の万能レンズ向き。
- 中心高・周辺低 → ポートレート・スナップ向き。
- 全体的にやや低め → 柔らかい描写、フィルムライクな雰囲気に。
「どのレンズが解像度が高いか」よりも、「自分がどんな写真を撮りたいか」でMTFを読み解くのが良いと思います。
まとめ:MTFを知るとレンズ選びがもっと楽しくなる
- MTF=レンズがどれだけ“くっきり”描写できるかの指標
- グラフが高いほどシャープだが、低いからといって悪いわけではない
- 撮る写真のタイプ(風景・建築・人物・街スナップ)で“理想のMTF”は変わる
最初は難しかったMTFも、理解してみると意外とシンプルではないでしょうか?
「このレンズ、なんか好きだな」と感じる理由が、少しだけ“理屈でわかる”ようになります。
レンズ選びで迷ったとき、MTFもそっと覗いてみてください。
スペックの数字が、写真の“性格”に見えてくるはずです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
