旅撮影術

NDフィルターが原因だと思ったら違った。映像が青くなった本当の理由

kazu-trip

こんにちは、かずです。

Vlogを始めてから、以前よりもカメラの設定を意識するようになりました。

「シャッタースピードは固定したい」「白飛びは避けたい」

そんな理由から、最近は屋外で撮影するときにNDフィルターを使うことが増えています。

今回は、以前の記事でも紹介した「富岳群青」でVlogを撮影しました。テラスから富士山を望める宿なので、屋外での撮影が多くなることを想定し、NDフィルターを装着して撮影に臨みました。

撮影中はカメラのモニターで確認しても特に違和感はなく、「いい感じに撮れているな」と思っていたのですが…。

帰宅して編集を始めた瞬間、思わず声が出ました。

「なんだこれ、映像が青い…。」

最初は「NDフィルターの色被りだ」と決めつけていました。

しかし、原因を調べていくと、NDフィルターだけではなく、ホワイトバランスや撮影設定も大きく関係していることが分かりました。

今回は、その失敗談と、そこから学んだことをまとめていきます。

撮影環境

今回の撮影設定はこちらです。

  • カメラ:Sony α7C II
  • NDフィルター:NiSi True Color VND 1〜5ストップ(ND2〜ND32)
  • ピクチャープロファイル:S-Log3
  • ホワイトバランス:オート(AWB)

宿泊施設の撮影だったため、屋外と屋内を何度も行き来する状況でした。

ホワイトバランスをその都度変更するのは撮影テンポが悪くなるため、今回はAWBに設定。

また、屋外では白飛びを防ぐため、NDフィルターをほぼ最大(5ストップ付近)まで回して撮影していました。

編集で気付いた違和感

撮影中はカメラのモニターでは特に違和感を感じませんでした。

しかし、パソコンで映像を確認すると、全体的に青っぽい印象です。

特に屋外の映像では、想像していた色味よりも冷たい雰囲気になっていました。

「NiSiのNDフィルターって色被りするの?」

そんな疑問が浮かびました。

NDなし
ND5

*時間帯が若干違うのはご了承ください。

NDフィルターの濃さを変えると

撮影中、NDフィルターの濃さを何度か調整しながら撮影していたので、編集時に映像を見比べてみました。

その結果、

  • NDを最大付近まで回すと、青みがかなり強くなる。
  • 少し戻すと、完全に自然とは言えないものの、青みは多少改善する。

という違いがありました。

「やっぱりNDフィルターが原因なのかな?」と思ったのですが、面白いことに、NDを最大付近で撮影した映像の方が富士山はくっきり見えていたんです。

青みは気になるものの、空の霞が抑えられたような印象で、富士山の輪郭がはっきりしているように感じました。

「これはこれでアリかも…?」と思ってしまいました(笑)。

とはいえ、色味まで含めて考えると理想の映像とは言えません。

この結果を見ると、「NDフィルターが原因だ」と思ってしまいそうですが、そうとも言い切れません。

ND3〜4あたり
ND5

原因はNDフィルターだけではなさそう

最初は「NDフィルターのせいで色がおかしくなった」と思っていました。

しかし調べてみると、今回使用したNiSi True Color VNDは、可変NDの中でも色被りをできるだけ抑えることを目的に開発されたモデルでした。

可変NDフィルターの仕組み

可変NDフィルターは、2枚の偏光フィルターを重ね、片方を回転させることで光の量を調整する仕組みになっています。

この構造のおかげで、1枚のフィルターでND2〜ND32のように減光量を連続的に変えられる一方、濃度を上げるほど色味が変化したり、ムラが発生しやすくなったりするという弱点もあります。

NiSiのTrue Colorシリーズは、この弱点を改善するために、

  • 色被りを抑える新しい偏光膜
  • X状のムラが発生しにくいストッパー構造
  • 紫外線や熱による劣化を抑える素材

などを採用し、従来の可変NDよりもニュートラルな色再現を目指した製品です。

それでも青くなった理由は?

今回の撮影では、屋外と屋内を何度も行き来していたため、ホワイトバランスはオート(AWB)に設定していました。

さらにS-Log3は、ホワイトバランスのわずかなズレでも色味の変化が目立ちやすいプロファイルです。

そのため、

  • AWBがシーンごとに色温度を調整したこと
  • 可変NDを最大付近まで使用したことによる、わずかな色味の変化

この2つが重なり、映像全体が青っぽく見えたのではないかと考えています。

一方で、NDを最大付近にした映像の方が富士山はくっきり見えていました。

これは、可変NDが持つPL(偏光)効果によって、空気中の霞や反射が抑えられ、景色のコントラストが高まったためだと考えられます。

つまり今回の結果は、

「PL効果で景色はよりクリアになった一方、AWBと可変NDの特性が重なり、色味には影響が出た」

ということだったのかもしれません。

失敗から学んだこと

今回の撮影で改めて感じたのは、AWBは便利な反面、S-Log3で撮影するなら色味が安定しにくいということでした。

本来であれば、

  • 屋外ではホワイトバランスを固定する。
  • 室内に入るタイミングで切り替える。
  • NDフィルターも必要以上に最大まで回さない。

このような運用が理想なのだと思います。

でも、正直なところVlogではそこまで割り切れない自分もいます。

宿を歩き回りながら撮影していると、外に出たり室内に入ったりを何度も繰り返します。そのたびにホワイトバランスを変更していると、撮影のテンポが悪くなってしまいます。

それに、設定を頻繁に変更する運用は、別のミスを招く可能性もあります。

例えば、

  • ホワイトバランスを変更し忘れる。
  • 外用の設定のまま室内を撮ってしまう。
  • 逆に室内用のまま外へ出てしまう。

Vlogはその場の雰囲気や体験を残すことが目的なので、「設定を完璧にすること」よりも、「撮り逃さないこと」の方が大切な場面も少なくありません。

だからこそ、AWBはやっぱり便利なんですよね。

企業向けの映像制作なら色の再現性を最優先に考えますが、僕が撮っているのは個人のVlog。

映像のクオリティにはこだわりたい。でも、撮影のテンポや、設定ミスで大事なシーンを逃さないことも同じくらい大切です。

このバランスをどう取るかは、これからも試行錯誤していこうと思います。

まとめ

今回の失敗で、「映像が青くなった=NDフィルターが悪い」と単純に考えるのは違うことが分かりました。

可変NDを最大付近まで使用したことによる影響はあったかもしれません。しかし、それだけではなく、AWBやS-Log3といった撮影設定も重なっていた可能性が高そうです。

動画撮影は、一つの設定だけで決まるものではなく、さまざまな要素の組み合わせで仕上がりが変わります。

今回の経験で、NDフィルターの仕組みやホワイトバランスについて改めて学ぶことができました。

次回もAWBを使うかもしれません。でも、今回のような現象が起きる理由を知っているだけでも、撮影や編集で落ち着いて対処できるはずです。

失敗も含めて楽しみながら、少しずつ理想の映像に近づけていけたらと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう!

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かずトリップ
かずトリップ
サラリーマンとして働く日々の合間に、カメラ片手に旅へ。
このブログでは、実際に訪れた宿や風景、愛用している旅アイテム、そして旅をもっと楽しむためのお金の工夫まで、リアルな体験をもとにお届けしています。
「旅に出たくなる」——そんな気持ちを呼び起こすような情報を、届けられたら嬉しいです。
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